お灸の効果とは？向いている方や効果的な使い方も紹介 2024年4月18日

肩こりや腰痛などの身体の不調をなんとかしたい場合は、「お灸」を試してみることをおすすめします。お灸はもぐさに線香やライターで火をつけ、温熱刺激をする伝統的な民間療法のひとつです。血管を広げて血行を促したり、ツボを刺激したりと、さまざまな効果があるとされています。今回は、お灸に期待できる効果や使い方のポイントについて詳しく解説します。

お灸に期待できる効果

お灸に期待できる効果は、主に下記の5点です。

・血行の促進

・身体の痛みや不調の改善

・免疫力アップ

・自律神経のはたらきの強化

・香りによるリラックス作用

お灸が人間の身体に与える効果は、科学的に解明されているわけではありません。現在まさに研究が行われている分野で、さまざまな効果に期待がもたれています。

血行の促進

お灸の温熱刺激で毛細血管が広がると、血流量が増加します。血液は体中に酸素を運び、老廃物の排出を促す重要な媒体です。温熱刺激で滞っていた血液が流れ始めると、局所の充血やうっ血、炎症を和らげる効果が期待できます。

血行が促進すると、血管の運動性が高まるともいわれています。血液が流れやすくなることで心臓にかかる負担が減り、心機能が高まる効果が期待できます。

身体の痛みや不調の改善

お灸の温熱効果は血管だけでなく、リンパにも良い影響を与えると考えられています。リンパは主に老廃物や体内の余分な水分を排出する役割を担っており、温熱刺激で流れが改善されると代謝機能が向上する効果が期待できます。

お灸がツボの上で行われるのにも意味があります。もぐさを燃やす熱がツボを刺激し、場所によって下記のさまざまな身体の痛みや不調の改善にはたらきかけます。

・冷え症

・肩こり

・腰痛

・頭痛

・胃腸・消化器系の不調

・目の疲れ

・むくみ

・ストレス

・不眠　など

免疫力アップ

お灸は免疫力の向上にも効果があるといわれています。免疫系の細胞が温熱刺激を受けると、「サイトカイン」と呼ばれるタンパク質の一種が分泌されます。サイトカインが白血球を活性化させて、病気から身体を守るはたらきが強化されると考えられています。

温熱刺激でダメージを受けた細胞が修復する際に分泌されるタンパク質、「ヒートショックプロテイン」も、免疫細胞を強化する一因です。また、もぐさの香りがリラックスを誘い、副交感神経を優位にさせて免疫力が強化されるとの指摘もあります。

自律神経のはたらきの強化

これまでお灸は自律神経の乱れを整えるのに役立つ民間療法として使われてきていました。お灸の温熱刺激が血管の運動性を高めると、血管の働きをコントロールしている自律神経が強化されると考えられています。

自律神経が強化されれば、神経伝達がうまく機能する効果も期待できます。

香りによるリラックス作用

もぐさはヨモギの葉の裏にある白い線毛を精製したもので、香りが良くアロマテラピーとしても有効です。ヨモギの葉に含まれる芳香成分「シネオール」が、リラックスへと導くためです。

ヨモギは昔から使われてきた漢方のひとつで、お灸をすると、ヨモギの成分が皮膚から内部に浸透します。シネオールには消毒・殺菌・鎮静・鎮痛作用など、さまざまな効能があるとされています。

お灸が向いているのはどんな方？

お灸はもぐさを燃やす温熱刺激によって血行促進をはたらきかける、民間療法です。昔から生活のなかで使われており、普段から血行が悪い・冷え性・肩こり・低血圧気味などの悩みを抱えている方に向いているといえます。

また、月経不順・PMS・生理痛・不妊などの女性特有の症状に悩む方にもよく使われています。

お灸の効果的な使い方

家庭でお灸をする際のポイントは、次の3つです。

・ツボの上でお灸をする

・適切な温度で行う

・使用時間を守る

最初は、なるべく整骨院や鍼灸院、お灸サロンで施術を受けることをおすすめします。プロの指導のもとでセルフケアを始めましょう。「熱い」「跡が残る」などのイメージがあるものの、近年では家庭で使いやすい煙が少ないタイプ、火を使わないお灸も登場しています。

ツボの上でお灸をする

お灸は、ツボの上で使うのが原則です。お灸に期待する効果にあわせて、刺激しやすいツボを厳選しましょう。おすすめのツボは、下記の通りです。

・首や肩のコリ、腰痛：陽池・太渓

・内臓や胃腸の不調：神門・足三里

・女性特有の不調：三陰交・関元

・こころの疲れ：内関・太衝

東洋医学の概念では、ツボ（経穴）は皮膚表面と内臓を結ぶ「経絡」に沿って、全身に点在しているとされます。ツボの位置は、下記の特徴で見分けられます。

・まわりの皮膚より冷えている

・まわりより軟弱に感じる

・押すと違和感や痛みがある

・まわりよりくぼんでいる

なお、鍼にもお灸と同様に、ツボを刺激する効果があるとされています。鍼の効果については下記の記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。

「鍼は肩こりにも効く？肩こりの原因と鍼治療の効果を解説」

適切な温度で行う

お灸をする温度の目安は、43℃前後です。お灸はもぐさが燃焼する際の温熱刺激を利用した民間療法ですが、温度によって効果が変わるわけではありません。

逆に、温度が高すぎると火傷をするリスクがあります。燃焼時の温度を自由に選べるお灸もあるので、自分が「心地良い」と感じる温度でお灸をしましょう。

お灸は火を使うため、火傷には特に注意が必要です。肌着や服、髪がお灸に触れないように、十分に確認してください。

使用時間を守る

お灸をするのは、1回当り3～5分間が目安です。始めてすぐでも、「熱い」と感じた時点でお灸を肌の上から外してもかまいません。

過剰に温熱刺激をすると体内の血流に急激な変化が生じて、「灸あたり」と呼ばれる一時的な体調不良が起こる可能性があります。継続的な使用で身体の状態を良い方向に向かわせるためにも、お灸は1日1回から始めましょう。

お灸は、毎日続けることで良い効果を発揮します。心身がくつろいだ状態でするのが効果を高めるポイントなので、就寝前のリラックスタイムに取り入れてはいかがでしょうか。

お灸のセルフケアが難しいなら整骨院がおすすめ

お灸サロンや家庭でのセルフケアが難しいなら、身近な整骨院に相談しましょう。整骨院では凝り固まった筋肉をほぐして良い状態に整えるための施術を行っており、お灸と同様に、全身の血行を促せます。筋肉をほぐすプロの施術で、肩こり・腰痛の改善にも効果的です。

くまのみ整骨院では、一人ひとりの悩みにあわせた施術をモットーとしています。施術後もセルフケアできるよう、生活習慣に関するアドバイスも行っています。一部の店舗では、お灸の施術にも対応していますので、検討している方は事前にお問い合わせください。

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まとめ

お灸は火を使うため、「自分でするのは難しい」と感じている方は多いのではないでしょうか。しかし、近年は家庭で使いやすい簡易タイプや火を使わないお灸も市販されていて、より手軽にチャレンジできます。もぐさの香りでリラックス効果も期待できるため、ぜひ試してみてください。家庭でのセルフケアが難しい場合は、身近な整骨院にも相談しましょう。