テニス肘を放置するとどうなる？原因や予防法を解説 2024年12月5日

テニス肘は、軽症であれば自然に治ることもあります。しかし長期間放置すると重症化し、なかなか治らなくなるケースがあるため注意が必要です。

今回は、テニス肘の原因や症状、放置した場合のリスクを紹介するとともに、日常生活でできる予防法もお伝えします。

テニス肘とは

テニス肘（上腕骨外側上顆炎：じょうわんこつがいそくじょうかえん）とは、肘の外側から前腕にかけて痛みが生じる疾患のことをいいます。

テニスやバドミントンなど、ラケット競技者に多くみられるのが特徴です。そのほか、ゴルフや釣りなどをする方や仕事で重いものを持つ方、家事や育児で腕を酷使する方が発症することもあります。

テニス肘の原因

ここでは、テニス肘のおもな原因を2つ紹介します。

肘・手首の使いすぎ

テニス肘の主な原因は、腕や手首の使いすぎ（オーバーユース）です。肘や手首を酷使すると、手首を伸ばす短橈側手根伸筋（たんとうそくしゅこんしんきん）という筋肉に過度な負担がかかります。

その結果、短橈側手根伸筋の肘の付け根部分に炎症が起こったり、小さな断裂が生じたりすることで痛みが発生すると考えられています。

加齢

テニス肘は若くても発症しますが、特に30～50代の男女に多くみられます。これは、加齢によって腕の筋力や肘の腱の強度が低下するためです。また、中年以降になると「外側上顆」という骨のでっぱり部分に異常な血管が増えてしまうのも原因のひとつと考えられています。

テニス肘の症状

テニス肘の主な症状は、肘の外側・手首・指の痛みやしびれ、腫れ、熱感、重だるさなどがあげられます。

＜重症度別の症状＞
重症度 症状
段階1
・テニス中の痛みはなく、プレイには支障をきたさない
・テニス終了後に痛みが生じる
段階2 ・テニスはできるが、プレイに支障が出る

段階3 ・テニスのプレイだけでなく、日常生活にも支障をきたす
・安静時にも痛みを感じる

初期のうちは安静時に痛みはなく、物を持つ・ドアノブを回す・タオルを絞るなどの動作で肘の外側に痛みが生じるのが特徴です。重症化すると安静時にもジンジンとした痛みが続き、日常生活に大きな影響を及ぼします。

なお、症状の現れ方には個人差があり、突然強い痛みが生じることもあれば徐々に痛みが強くなるケースもあります。

テニス肘を放置するとどうなる？

軽度のテニス肘であれば数週間から1か月程度で治ることがありますが、重症化すると治りが遅くなってしまいます。また、重症化すると消炎鎮痛剤やステロイド注射でも治らず、手術が必要になるケースもあります。テニス肘を長期間放置せず、できるだけ早めに医療機関や整骨院に相談しましょう。

テニス肘を予防する方法

ここでは、テニス肘を予防するために日常生活でできるセルフケアを4つ紹介します。

正しいフォームを意識する

間違ったフォームでプレイすると肘を痛めやすいため、コーチから正しいフォームの指導を受けたり、仲間にフォームを見てもらったりすることが大切です。

フォアハンドでもバックハンドでも、肘をまっすぐに伸ばしたままボールを打つと、ラケットに当たったときの衝撃が肘に集中してしまいます。そのため、ボールをとらえる際は肘の伸ばしすぎに注意が必要です。

練習前後にストレッチ をする

練習前後に前腕や肩関節周囲の筋肉をほぐしておくことで、テニス肘の予防につながります。簡単なストレッチ方法を紹介します。

＜手関節掌屈のストレッチ＞
（右腕をストレッチする場合）右腕の肘を伸ばし、手のひらを下に向ける。左手で右手の甲を押さえて伸ばす（30秒）

＜肩関節後面のストレッチ＞
（右腕をストレッチする場合）右腕の肘を伸ばし、親指を下に向ける。左手で右腕の肘を押し、二の腕を胸に近づけて肩関節を伸ばす（30秒）

＜肩関節内旋のストレッチ＞
（右腕をストレッチする場合）右腕を下にして横向きに寝転び、右肩と肘を90度に曲げる。このとき、右手の親指を自分に向ける。左手で右手の甲を押し、肩をねじるように伸ばす（30秒）

なお、ストレッチ中に痛みが出る場合は無理をせず、中止してください。

肘や手首の筋トレをする

筋力不足もテニス肘の原因になるため、日頃から肘や手首の筋力を鍛えておくことも重要です。テニスやバドミントンなどのラケット競技をする方はもちろん、仕事や家事、育児で腕を酷使する方も定期的な筋トレを取り入れることでテニス肘の予防につながります。

筋トレをする際は1kg程度のダンベルやチューブ、ゴムバンドを使い、手首の関節を曲げ伸ばす動作をしましょう。ダンベルやゴムバンドは100円ショップでも気軽に購入できます。ダンベルがない場合はペットボトルに水を入れたものでも代用できます。

ただし、患部に痛みや熱感がある場合は症状が悪化するおそれがあるため、注意してください。テニス肘を発症してからではなく、予防法として筋トレを取り入れましょう。

サポーターやバンドをつける

サポーターやバンドは、テニス肘の予防だけでなく発症後の痛みの軽減にも役立ちます。市販のサポーターやバンドを巻くことで、肘や手首にかかる衝撃を軽減できるためです。

また、テニス肘は加齢により肘のでっぱり部分「外側上顆」に異常な血管が増えてしまうことも原因のひとつです。バンドを使用することで異常な血管に向かう血液の流れを遮断できます。

テニス肘が悪化する前に整骨院に相談しよう

セルフケアを続けてもテニス肘の痛みが軽減しないときや痛みが悪化しているときは放置せず、医療機関や整骨院に相談しましょう。テニス肘を長期間放置すると治りにくくなることがあるため、できるだけ早めの対処が重要です。

くまのみ整骨院では、丁寧なカウンセリングによってお客様の身体の状態をチェックしたうえで、状態に合わせた施術を提案しています。肘に負担がかかりにくい日常生活の過ごし方や運動、睡眠、栄養面でのアドバイスまで対応しているため、症状の緩和はもちろん予防も可能です。

突発的なテニス肘を改善したい方、日頃から肘や手首の痛みが気になる方は、くまのみ整骨院へお気軽にご相談ください。

まとめ

テニス肘の原因は、スポーツや仕事、家事などによる肘や手首の使いすぎのほか、加齢による筋力の低下などが考えられます。軽症であれば腕や手首を動かしたときにだけ痛みを感じますが、重症化すると安静時にもジンジンとした痛みが続き、日常生活にも支障をきたします。

テニス肘を放置すると治りが遅くなってしまうことがあるため、セルフケアで緩和しない場合や痛みが長引く場合は、早めに医療機関や整骨院に相談しましょう。