股関節がゴリゴリするのはなぜ?不快の原因と自宅でできる対処法
歩いているときやスポーツをしているとき、股関節がゴリゴリして違和感を覚えたことはないでしょうか。気にせず放置している方もいるかもしれませんが、放置しておくと痛みが強くなって日常生活に支障が出ることもあるため注意が必要です。
今回は、股関節がゴリゴリする原因や対処法、おすすめのストレッチを紹介します。
股関節がゴリゴリするのは「弾発股」かも!

股関節周りの違和感は、まとめて「弾発股(だんぱつこ)」と呼ばれています。股関節を動かすと違和感があったり、ゴリゴリ・パキパキと音がしたりすることが特徴です。股関節を動かしたときに、引っかかるような感じがすることもあります。
弾発股は、骨盤の歪みや身体のバランスが崩れて筋肉が固まっている状態です。最初は痛みがなく、ただ音が鳴るだけで済んでいることがほとんどです。しかし、適切なケアをしないまま放置すると繰り返し骨と腱がこすれて炎症が起き、痛みをともなうことがあります。
弾発股には外側型と内側型の2種類があるとされ、多くは外側型です。これは大転子という骨に、骨盤から脛骨にかけて走っている靱帯が引っかかっている状態とされています。
一方の内側型は、腰椎から大腿骨に及ぶ大きな筋肉である腸腰筋が骨に引っかかっている状態です。前述の外側型よりも、発症頻度は低いとされています。
股関節がゴリゴリする原因

では、股関節がゴリゴリする弾発股はどんな原因で起こるのでしょうか。ここでは4つの原因を紹介します。
股関節の使いすぎ(オーバーユース)
最も多い原因が、オーバーユースです。特に激しいスポーツを日常的に行う方、身体を酷使する仕事をする方は、股関節の使いすぎで弾発股になりやすいとされています。
スポーツの中では、ランニング、バレーボール、ダンス、バレエなどにも注意が必要です。どの競技も股関節を曲げ伸ばしする動作が断続的に続き、日常生活にはない特別な動きをすることが多くみられます。そのため、気づかないうちに股関節への負担が積み重なっている場合が多いのです。
運動習慣がある方は、適度な休憩を挟むなど身体を回復させることもセットで考えておきましょう。
股関節まわりの筋力の低下
加齢による股関節周辺の筋肉量の減少も、原因のひとつです。特に骨盤を支えている股関節周辺の筋力が低下することで、身体に歪みが生じやすくなります。運動習慣がないのに痛みを感じる方は、筋力低下が原因で弾発股になっているのかもしれません。
股関節の筋力低下は、日常の運動不足が原因で起こることもあります。若い方でも症状が出ることもあるので、油断は禁物です。
骨盤の歪みや姿勢の悪さ
骨盤の歪みも、原因のひとつです。骨盤が歪んでいると股関節が圧迫され、股関節の筋肉が硬くなることがあります。骨盤の歪みは姿勢の悪さや癖によるものも多く、普段の生活習慣が大きく影響しています。
特に猫背の方、椅子に座るときに足を組むことが多い方は、骨盤が歪みやすいので注意しましょう。
股関節の変形
股関節そのものが変形してしまい、靭帯や腱が引っかかりやすくなっていることもあります。股関節の使いすぎによる変形もあれば、生まれつきの形状に由来した変形もあり、原因はさまざまです。
病院の受診が必要なケースもあるため、判断が難しい場合は医師に相談してみましょう。
股関節がゴリゴリするときの対処法

何気なく動いたときに股関節に違和感や痛みがあるのは、弾発股の前兆かもしれません。痛みが今よりも強くなる前に、早めに対処することが肝心です。
安静にしてしっかり休む
股関節に痛みを感じるときは、無理せず安静にすることが最優先です。スポーツやジムなどもいったん中断し、身体を休ませることに専念します。痛みが強い場合には病院の受診も検討し、消炎鎮痛剤などを活用して痛みを取ることも重要です。
痛みが治まったとしても、しっかり回復するまで休まないと再発することもあります。焦らず様子を見て、体調を第一に過ごしましょう。
適切な姿勢を維持する
日常生活の中で股関節にかかっている負担が、弾発股の発症につながる場合もあります。股関節への負担を抑えるためには、歩き方や座り姿勢の見直しが大切です。適切な姿勢を維持することは、弾発股以外の痛みや不調に対しても効果が期待できます。
歩くときに適切な姿勢を維持するコツは、美しい歩き方を意識することです。膝のお皿が外側を向いている方は、無意識のうちにガニ股で歩いています。適切な姿勢で歩けるように矯正すると、股関節に余計な負担をかけずに済みます。
また、歩行時の衝撃を軽減してくれる、クッション性の高い靴を選ぶこともおすすめです。
適切な姿勢で座るには、股関節の角度を意識することです。必要に応じてクッションで座る高さを変え、股関節を深く曲げすぎないことが大切です。長時間同じ姿勢をとり続けることも、股関節に負担を与えるおそれがあります。
正しい座り方について詳しく知りたい方はこちら
「ガニ股の原因3選や意味を解説!足の開きが気になる女性必見」
ストレッチをする
安静にして痛みや違和感が消えたら、骨盤や股関節周辺の筋肉にアプローチするストレッチがおすすめです。股関節をほぐすことで歪みやコリをやわらげ、筋肉を鍛えていきます。弾発股の予防にも効果的です。
・股関節内側ストレッチ
股関節の内側におすすめのストレッチを紹介します。
1.床に座り、足裏を合わせた状態で両膝を開く
2.両膝を両手で下に押し、上体を前に倒す
簡単な動きですが、股関節の内側を効果的にほぐせるストレッチです。身体がやわらかい方は、膝を押すときに肘で押しても良いでしょう。
・膝抱えストレッチ
ベッドや布団の上でできるのが、膝抱えストレッチです。
1.手足を伸ばした状態で仰向けになる
2.片方の膝を両手で抱え、ゆっくりお腹に近づける
3.20秒キープし、元の姿勢に戻す
余計な力を入れず、呼吸が止まらないように意識するのがポイントです。一つひとつの動きを丁寧に行いましょう。
・大殿筋ストレッチ
骨盤の後ろから太ももにかけて存在する大殿筋をほぐすなら、下記のストレッチがおすすめです。
1.床に仰向けになる
2.左足首を右の太ももに乗せ、そのまま右ももを両手で上体の方へ引き寄せる
3.20秒キープして元の姿勢に戻し、反対側も同様に行う
足を引き寄せるときは息を吐きながら行うのがコツ。力が入らないように注意しましょう。
・開脚ストレッチ
足を片方ずつ手軽にほぐせるのが、開脚ストレッチです。
1.床に両膝で立ち、左足を前に出す
2.右足の甲を床にしっかりつけたまま、右足をゆっくりと後ろに伸ばす
3.無理せずキープできるところまで伸ばし、20秒キープする
足を後ろに伸ばすとき、腰を床に近づけるイメージで行います。開脚ストレッチでも、呼吸が止まらないように気を付けてください。
股関節のストレッチを行うときは、固い床は避けてヨガマットなどを敷くのがベストです。また、同じ箇所ばかりを集中的に続けるのではなく、別の筋肉をほぐすストレッチをサイクルメニューで行うとより良いでしょう。
姿勢をキープするときは、痛みを感じない程度の姿勢を意識します。無理に伸ばしたり、反動をつけて一気に伸ばそうとしたりすると、かえって筋肉を傷めることにもなりかねません。今の身体の状態に合わせて、無理なく強度を調整するよう心がけるのがポイントです。
股関節がゴリゴリするときのNG行為

股関節からゴリゴリ音がするときは、避けるべきNG行為がいくつかあります。症状の悪化や別の不調を避けるためにも、NG行為には注意しましょう。
股関節に負担のかかる行為
大前提として、股関節に負担がかかる行為は避ける必要があります。ただし、まったく動かさずにいることも、関節に良いとはいえません。負担をかけないように適度な運動を取りつつ、バランス良く休息を挟むことが大切です。
ここでは、股関節に負担がかかりやすいNG行為を5つ解説します。
深くしゃがみ込む
深くしゃがみ込む動作は、股関節まわりの軟骨に大きな負担をかけます。ガーデニングやDIYを行うとき、和式トイレを利用するときや、落とした物を拾うときなど、深くしゃがみこむ動作には注意しましょう。
急激に身体をひねる
急激な回転運動も、股関節に負担をかけやすい行為です。例えば、ゴルフのスイングやダンスといった、急激に身体をひねる動作も痛みにつながります。
和式の生活を送る
和式トイレに限らず、昔ながらの日本の生活には、股関節に負担をかけやすい動作が多く含まれています。床に直接座る姿勢や、立ち上がるときの動作も、股関節を大きく動かさなくてはなりません。クッションや椅子を活用して、負担を軽減することが大切です。
高強度の運動を行う
走ったりジャンプしたりと、衝撃の大きなスポーツを行うことが多い方は、注意が必要です。無理のない運動に見えるランニングも、実際は股関節に体重の数倍の負荷がかかっています。
重量物を持ち上げる作業と立ち仕事を長時間行う
重い物をもつことが多いスポーツ(重量挙げなど)や作業も、避けたほうが無難です。重い物を持ち上げたり長時間立ちっぱなしになったりすることが多い方は、股関節に負担がかかっているおそれがあります。
症状の放置
股関節がゴリゴリするなど、なんらかの異常を感じている方は、症状を放置せず早めにしかるべき対処をしましょう。弾発股を放置すると、症状の悪化によって痛みが生じるおそれがあります。
股関節周辺に痛みが現れれば、日常生活に影響が出るかもしれません。ゴリゴリする音や痛みが気になって、以前のようにスムーズに動けなくなります。
弾発股は、自然に治まることがあります。ただし、再発するケースもあるため、異常を感じたら日常生活を見直して、症状が気になる場合は専門家へ相談しましょう。
股関節に違和感があるなら整骨院もおすすめ

弾発股の症状が気になる方は、セルフケアだけでなく整骨院に通うのもおすすめです。整骨院ならプロによる施術で痛みをやわらげたうえで、ストレッチでコリをほぐせます。身体のバランスも整い、より効率的に対処できるのもメリットです。
くまのみ整骨院は、身体の状態に合わせた痛みの少ない施術を提供しています。自分でストレッチするだけでは不安な方、時間が経つと痛みや違和感をぶり返してしまう方は、一度くまのみ整骨院にご相談ください。
まとめ
股関節は身体の中でも非常に重要なパーツですが、日々の姿勢や癖の影響を受けやすいデリケートなパーツでもあります。動かしたときに痛みや違和感を覚える方は、骨格のズレや炎症が起きている可能性もあり、早めに対処することが大切です。
痛みがあるときは無理せず休み、落ち着いたところでストレッチや整骨院での施術を検討しましょう。
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