尾てい骨を強打したときの対処法！痛みを放置したままにするのは危険 2023年5月26日

転倒し、尻もちをついた拍子に尾てい骨を強打した場合、たとえ痛みがなくても放置するのは危険です。尾てい骨を強打することで、体のほかの部位に支障が出る場合もあります。

本記事では、尾てい骨を強打したときのリスクと、痛むときの対処法について紹介します。

尾てい骨の痛みを放置するのはNG

転倒などで尾てい骨を強打したとき、痛みを放置するのは危険です。尾てい骨はほかの部位に比べて細長い形状をしており、強度が低い骨であることから、少しの衝撃でも簡単に骨折や変形してしまうことがあります。尾てい骨のまわりには、骨を守る筋肉や脂肪がないため、ダメージを受けやすい部位とされています。

尾てい骨を強打した後、歩くときや座るときにさほど痛みがなくても、実際は打撲により患部を傷め、ひどいときは骨折している場合もあります。

尾てい骨は、膀胱や消化器官など下半身の臓器をコントロールする自律神経のうち、副交感神経が集まる重要な部分なので、骨折すると周囲の神経を圧迫、内臓機能の障害を引き起こします。

尾てい骨周辺の痛み以外にも、患部の腫れや、吐き気、しびれなどの症状がある場合は、骨折を疑い、医師による診断が必要です。また、強打したのが尾てい骨であっても、実際には骨盤や背骨などを傷めている可能性もあります。

痛みを放置すると、仙骨や坐骨など、ほかの骨にも影響を及ぼし、数年経ってから坐骨神経痛や腰痛などの後遺症が現れることがあります。自己判断せず、専門家の指示を仰ぎましょう。

尾てい骨を強打したときの対処法

尾てい骨を強打したときは、痛みを長引かせないためにも早めの応急処置が必要です。

尾てい骨は、ほかの骨と違い、ギブスなどで固定することができません。そのため、十分な安静期間が保持できないと、痛みが長期にわたって続くことになります。

この章では、尾てい骨を強打したときの応急処置について解説します。

強打した部位にアイシングを行う

転倒などにより尾てい骨を強打した場合、痛みや腫れがある部位に対してアイシング（氷や氷のうなどで冷やす）が必要です。

冷やすことで、腫れによる熱感や内出血を最小限にとどめるほか、痛覚神経を麻痺させることで痛みを緩和させる効果があります。

同時に、強打した部位周辺を圧迫したり、心臓より高いところにおいたりすることで、患部に流れる血液量を下げることができ、より痛みや炎症を抑える効果が高まります。

アイシングに使う道具

アイシングをするときは、氷を使うことが一般的です。直接、氷を患部に押し当てると凍傷の原因になってしまうので、氷のうやビニール袋に入れて使います。大きい氷だと患部と触れ合う面積が少なくなってしまうため、小さめの氷をいくつか使う方が効果的です。氷がなければコールドスプレーや保冷剤などで代用できます。

アイシングの方法と時間

アイシングを行うときは、1回15分から20分程度が目安です。冷やしすぎると凍傷の危険性があるため、長時間は行わないようにしましょう。

また、繰り返しアイシングを行う場合、次の処置までは1時間から2時間程度の間をあけることが推奨されています。アイシングは炎症成分と同時に、筋肉へ流れる栄養や酸素なども流れにくくしてしまうため、必要以上の回数を行うと逆に治りが遅くなってしまいます。冷やしたあとは、体を温めて代謝を上げましょう。

強打した部位周辺に「冷感湿布」を貼る

尾てい骨を強打したとき、病院では湿布を貼って経過を見ることがあります。湿布には、炎症や鎮痛に有効な成分が含まれているため、痛みの緩和に効果的です。応急処置のときには、加えて冷却効果のある湿布を使うと、アイシング効果も期待できます。

「冷感」と記載がない湿布でも、メンソールやハッカ油など、皮ふが冷たさを感じる成分が配合されていれば、前述と同様に炎症や鎮痛に効果があります。しかし、湿布を貼るだけでは傷めた患部の十分な回復にはつながらないため、応急処置の一環として捉えましょう。

正しい姿勢を心がける

猫背の人は、上半身の重みを直接、尾てい骨で受け止めやすくなるため、傷めた部位まわりの骨や筋肉を強く痛めます。日頃から、頭を上から引っ張られているようなイメージを持ち、背筋をまっすぐに起こした正しい姿勢で過ごします。

また、座るときには両方のお尻にある坐骨で体重を受け持つような姿勢を意識することが重要です。イスに浅く腰掛けたり、背もたれに比重をかけたりする座り方は、傷めた部位を悪化させます。使うイスは、クッション性の高いものにするなど負担のない座り方にしましょう。

尾てい骨が痛むときに行くべきところ

尾てい骨の骨は細く、怪我をしても強い痛みや腫れなどの症状がすぐに現れないことがあります。応急処置を行い痛みが落ち着いたら、専門機関での受診が必要です。

この章では、尾てい骨を強打したときにかかる専門機関を紹介します。

整形外科

尾てい骨の痛みの原因は、主に転倒や尻もちをついたことによる骨折や打撲です。このときは、一般的に整形外科で診察を受けます。受診のときには、痛み始めた時期や頻度、強さなどの痛みの状態のほか、痛み以外の吐き気・下痢の症状、排尿障害やしびれなど細かく伝えることが大切です。重篤な骨折の場合は手術も視野に入ります。

また、尾てい骨の痛みの原因は外傷以外にも、仙骨付近の腫瘍や神経の損傷などの可能性もあります。痛みの原因が明確でない場合も、整形外科で一度診察を受け、レントゲンやCTなどの画像検査を受けたあとで、適切な診療科を紹介してもらいましょう。

整骨院

尾てい骨の痛みは患部以外にも、強打した際に歪んだ骨盤が原因である可能性があります。骨盤がずれると、尾骨の位置もずれて痛む場合があります。自力で骨盤の歪みを整えることは難しく、整骨院での施術が必要です。

整骨院では、骨盤の歪みもつの改善や筋肉へのアプローチも行ってくれます。

くまのみ整骨院では、整体などの痛みを和らげるための施術に加えて、患者さまお一人おひとりにヒアリングを行っています。

これまでの習慣形成が今の身体の状態をつくっていると考え、習慣を改善するための情報を提供しています。また、生活習慣を整える指導に加えて、患者さま自身で日常的に体のケアができるお手伝いをしています。身体に負荷をかけない施術で、痛みの改善をめざします。

まとめ

尾てい骨は、全身の姿勢や下半身の臓器を司る神経が集中しています。尾てい骨を強打した痛みを放置すると、全身の痛みや内臓機能の障害へつながる可能性があります。

強打した直後は、アイシングなどで応急処置を行い、痛みが落ち着いたら専門機関に相談や受診するようにしましょう。